移民危機と報道の断層:同じ現実、5つの物語
Fox Newsは移民犯罪を年間998回報じたが、移民の犯罪率が米国生まれより60%低い事実にはほぼ触れなかった。Al Jazeeraは「economic migrant」という言葉を意図的に排除し「refugee」に統一した。地中海で年間8,938人が死亡した2024年、米国メディアの報道量はほぼゼロ。同じ移民危機を、世界のメディアはまったく異なる物語として報じている。
2017年のミャンマー軍による大規模掃討作戦で100万人以上が難民となったロヒンギャ。BBCは「ジェノサイド」と報じ、中国メディアは「内政問題」と沈黙し、ASEAN諸国は言葉を選んだ。クーデター後のミャンマーで、ロヒンギャはさらに忘れられつつある。
1989年6月4日、民主化を求める学生たちに人民解放軍が発砲した。死者数は数百人から数千人——中国政府は今もこの数字を明かさない。35年後、BBCとNYTは毎年特集を組み、「タンクマン」の写真は世界的アイコンであり続ける。だが中国国内では「5月35日」という暗号でしか語れず、香港の追悼集会も国安法で消滅した。世界最大の「記憶の抹消」が、今も進行中だ。